GLO主催「if~もしもあの時~コンテスト」優秀賞受賞作!
「守りたい」その愛が、彼女の笑顔を奪い去った——。
大学図書館で出会った僕と彼女。春の光に透ける水面のように輝く彼女の微笑みに心を奪われた僕は、その純粋さを守ろうと、彼女の人生の選択に深く干渉し始める。僕は、合理的で正しい道へ彼女を導くことこそが愛だと信じて疑わなかった。彼女はいつも微笑んで応じたが、その優しい頷きは、知らぬ間に彼女の自由を蝕む沈黙となっていく。
これは、愛と支配の境界線を見誤った一人の男が、「もしあのとき」という永遠の後悔を胸に、失ったものと向き合い続ける痛切な懺悔の物語である。