四そこで、ふさわしい相手を見つけるべく、あちらこちらと知り合いに声をかけ探していたところ、同じ親戚筋で玉島の阿賀崎に「忠左衛門」という結婚相手にふさわしい適齢期の男子がいて、話はまとめられた。当時は、親同士で決められた縁談には従わざるを得ない。そんな風潮が当たり前な時代で、菊は従順にその話を受け入れた。そして、若いカップル誕生となった。忠左衛門は陽気で快活な男だったらしい。やがて当家の家業も立派…
[連載]高梁川
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小説『高梁川』【第7回】白神 松男
調子のよいところにはとかく魔が差すことも多い
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小説『高梁川』【第6回】白神 松男
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小説『高梁川』【第5回】白神 松男
商才があったという証
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小説『高梁川』【第4回】白神 松男
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小説『高梁川』【第3回】白神 松男
上野一族の栄華は長く続かなかった
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小説『高梁川』【第2回】白神 松男
一家ぐるみの夜逃げ同然の家出
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小説『高梁川』【新連載】白神 松男
水害後の高梁川の岸辺に辿り着いた
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