麻衣は自分の部屋で、物思いにふけっていた。今まで私一人で武家屋敷に忍んでいたけど、今度からあの新之助を連れて行こう、と思った。そう考えると、何だか楽しい。新之助は好きとか嫌いとかそういう人ではない。ただのお客さんだ。「だけどこれからはそうもいかないわ。私の片腕になるのだから……」そう考えると、心がほのぼのしてくる。「フフフ、新之助がこんなにいい男だと思わなかったわ」麻衣は一人で笑った。「さてと……
[連載]紅葵
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