正嗣はカウンターの上に置いてあるレイを新人にかけた。ジョアンは大人の男と話し慣れていないのだろう。視線を合わせるのが恥ずかしいようだ。目が合うとすぐにうつむいてしまう。正嗣の意識も酔いで限界寸前だったが、ジョアンに酔っぱらいと思われたくなかったので無理に正気を装った。「マニラではどこに住んでるの」「ディビソリア」とジョアンはうつむいたまま答えた。その時、DJが曲を替えた。ボーイズ・タウン・ギャン…
[連載]サンパギータの残り香
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小説『サンパギータの残り香』【最終回】栗文 雄田
ボトルが頭を直撃…看病してくれた少女は「あの花と同じ匂い」
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小説『サンパギータの残り香』【第39回】栗文 雄田
「サンパギータを買ってください」幼い花売りの少女と出会い…
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小説『サンパギータの残り香』【第38回】栗文 雄田
酒をあおる女性たち…高すぎる飲み代を「僕」が払った理由
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小説『サンパギータの残り香』【第37回】栗文 雄田
「女性が売り買いされているなんて」マニラで見た驚きの現実
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小説『サンパギータの残り香』【第36回】栗文 雄田
真実は闇の中…カメラマン全員の死角を突いた周到すぎる暗殺
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小説『サンパギータの残り香』【第35回】栗文 雄田
幾世が帰国の途へ。その頃、遂にニノイがマニラに到着した…
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小説『サンパギータの残り香』【第34回】栗文 雄田
幾世のマニラ最後の夜。料理が冷めるまで話し込んだ4人は…
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小説『サンパギータの残り香』【第33回】栗文 雄田
「何かやり残したことはないんですか」送別パーティーの始まり
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小説『サンパギータの残り香』【第32回】栗文 雄田
10ヵ月ぶりにフィリピンに戻ってきた先輩、金原との出会い
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小説『サンパギータの残り香』【第31回】栗文 雄田
地獄のどん底であえぐ日本人の相談役、「夜の神父さん」とは
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小説『サンパギータの残り香』【第30回】栗文 雄田
真っ暗な個室で二人きり…マッサージ嬢が囁いた誘惑の一言
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小説『サンパギータの残り香』【第29回】栗文 雄田
「今のフィリピンを変えられるのはきっとニノイだけだよ」
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小説『サンパギータの残り香』【第28回】栗文 雄田
「裏切られた!」にビートルズも困惑…イメルダ夫人の大絶叫
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小説『サンパギータの残り香』【第27回】栗文 雄田
「見栄で造ったとしか…」莫大な資金をかけたフィリピンの建物
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小説『サンパギータの残り香』【第26回】栗文 雄田
フィリピンの税関「わざとゆっくり荷物検査」の理由に衝撃
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小説『サンパギータの残り香』【第25回】栗文 雄田
淋病で七転八倒の苦しみ…注射2本で治るはずなのに一体なぜ?
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小説『サンパギータの残り香』【第24回】栗文 雄田
心神喪失で何も答えない男を連れ…精神科で目にした衝撃の光景
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小説『サンパギータの残り香』【第23回】栗文 雄田
再会で安堵したも束の間…何を言っても返ってこない返事
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小説『サンパギータの残り香』【第22回】栗文 雄田
挙動不審な取引相手…面会の直前に起きた「まさかの出来事」
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小説『サンパギータの残り香』【第21回】栗文 雄田
景気低迷に治安悪化…フィリピンが抱える問題「観光客激減」
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