タケルは大学在学中から、この予備校で講師のバイトを始めた。タケルが通っていた大学は、京都では比較的偏差値の高い有名私立大学だったので採用は簡単だった。就活が面倒で悩んでいることを校舎長に話すと、契約社員として就職したらどうかと言われた。二年間契約社員として勤めれば、正社員に推薦してもらえる。形式上、試験を受けるが合格は約束されている。今はその二年目だった。念願の正社員にあと少しで手が届くのだ。タ…
[連載]双頭の鷲は啼いたか
-
小説『双頭の鷲は啼いたか』【第2回】樹 亜希
契約社員の塾講師。仕事帰りのコンビニで一人の女性を見かけ…
-
小説『双頭の鷲は啼いたか』【新連載】樹 亜希
夢からさめたあとの現実は、ごく簡単な毎日のルーティンだった
- 1
- 2