【前回の記事を読む】自分は嗤いものになるために、東京に出てきたのだろうか。もう決して人前では本当の姿を晒すまいと心に誓った。気がつくと歩道の端に立っていた。タクシーが疎らに停まり、そのテールライトの赤が目に染みた。「何処ニ行コウ‥‥何ヲシテ生キテイコウ?」自分の口にしたことばがまるで他人の声のように思えた。骸骨はなおも放心したように立ち尽くしていた。タクシーが一台滑るように寄ってきて、目の前でド…
[連載]標本室の男[注目連載ピックアップ]
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【最終回】均埜 権兵衛
「お客さん、どちらまで?」「……海。」タクシーは進み、時々メーターがカチッと上がった。到着した場所は、海ではなく……
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【第18回】均埜 権兵衛
自分は嗤いものになるために、東京に出てきたのだろうか。もう決して人前では本当の姿を晒すまいと心に誓った。
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【第17回】均埜 権兵衛
「天地無用」と書いてあるのに全くおかまいなし。取り扱い注意・水濡れ注意・割れモノ注意等のシールも貼りつけていたが…
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【第16回】均埜 権兵衛
あらゆる種類の人間が、蠢く街。東京・新宿——「都会に行けばなんとかなる」。そう思っていたが、彼が見たものは……
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【第15回】均埜 権兵衛
人工皮膚がナースステーションに届いた——長らく病院で過ごしていた彼に使うはずだったが……あと一歩、間に合わなかった。
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【第14回】均埜 権兵衛
水商売風の若い女が単独事故…幸い怪我はなかったが、車は自走困難な状態に。原因を探ると、とある問題が浮き彫りとなり……
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【第13回】均埜 権兵衛
とある人物が仕事前に話しかけてきた。穏やかな会話から突如“女性関係”の話に移り——「先生、そういえば…」
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【第12回】均埜 権兵衛
夜11時勤務開始、交通整理をするだけの仕事。素性を隠すことは簡単だった——ヘルメットの下にはマスク、手には白い手袋まで…
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【第11回】均埜 権兵衛
鍵を閉め、2人で使っていた診察室のドアが、かすかに軋んだ…外の人物は息を潜めながら、ドアノブを回して……
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【第10回】均埜 権兵衛
夜中の診察室で、鍵もカーテンも閉めて、二人きりに。「そういえば君は、男と女…どっちなんだい?」
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【第9回】均埜 権兵衛
休暇中、診察室の中を看護師たちに見られてしまった…「先生も変な趣味よねぇ」汚いだの不気味だのと罵られて…
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【第8回】均埜 権兵衛
三流役者のような風貌をした31歳医師は、看護師の質問をはぐらかした。「恋人? いると言えばいるし、いないと言えばいないし…」
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【第7回】均埜 権兵衛
そのまま通り過ぎようとしたのだが、2人の声に誘われてつい中を覗いてしまい…そっとドアを閉じることにした。
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【第6回】均埜 権兵衛
深夜2時半、名医を訪ねてきたのは、“1体の男”。彼は唯一の願いを口にした——「私を人並みにしてほしい」。
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【第5回】均埜 権兵衛
医者だった父親の方針で、ピカピカに磨き上げられた院内。どこもかしこも綺麗なのに、唯一汚かったものは…
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【第4回】均埜 権兵衛
珍しくウイスキーを飲んだ夜。うたた寝から目を覚ますと、診察室のドアが開いていて…。
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【第3回】均埜 権兵衛
「ズット考エテ‥‥ンダ。前カラ‥‥」「オイ、止セッテ‥‥」。その声は、血管と神経に隈どられた標本が眠る「標本室」から聞こえた
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【第2回】均埜 権兵衛
奇妙なまでに真面目だった恩師が…。使用禁止の通路を見て、口を開いた——「そうだ、こちらから行きましょう」。
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小説『標本室の男[注目連載ピックアップ]』【新連載】均埜 権兵衛
恩師に「会おう」と言われ、20年振りに母校へ——挨拶もそこそこに、なぜか“試験室”の方へ進んでいくような…