仁の教えを広める
孔子は弟子たちとともに、修行の旅にでました。旅の目的は、さまざまな国を見てまわりながら、弟子たちとともに仁の道を究め、その教えを広くさまざまな国に伝え広めることでした。
さまざまな国を旅しながら、人々が幸せに生活しているかどうか、貧しい生活を強いられていないかどうか、戦争で苦しんでいないかどうかなどを注意深く見てまわりました。そして、人々が貧しい生活をしていたり、戦争で苦しんでいる国では、その国の王様と会って、人々の苦しみを伝え、仁の心で思いやりをもって国を治めることの大切さを説いてまわったのでした。
孔子と弟子たちの一行は斉の国をおとずれました。町の人に聞くには、斉の国の王様は、家来に反乱を起こされて、王様としての地位を奪われてしまい、権力を失っていました。また、王様は自分の家族を大切にしないことでも有名で、子供の世話をせず、遊び呆けていて、妻に面倒ばかりかけていることは、町の人々がみな知っていました。