「だが、まずお前が潜り抜けねばならない道がもう一つある。つまり、お前は死者たちの国に繋がる道を通過する必要があるのだよ。それは、いろいろな言い方があるが、中バル陰ドとも呼ばれている」
「おぉ、エムさま、エムさま……そんなこと、ぼくにできるわけがありません……」怖気づいたフォールは、泣きながら訴えました。
「どうしてだね、フォール? 死者たちが怖いのかい? お前の両親も、あの世にいるんじゃないかね? それが怖いことかい?」
確かに、フォールの両親は数年前に他界していて、実を言えば、フォールは彼らに会いたくてたまらなかったのです。でも……「死者の国」だって?? マジで? それは不気味な響きでした。
「で、フォール、どうなの?」フォールの眉はつり上がっていました。「どうなのって?! 聞かないほうがいいよ。ぼく怖くてたまらないから」
天使エムは、ちょっとキザなウィンクと笑みを思わせる口ぶりで、「お前はきっと後でわたしに感謝すると思うがね」と言って、消えていきました。
フォールは、ボーッとしたまま、不安な思いに包まれていました。「うーん……ぼくは『いいよ』なんて、言っちゃったんだっけ?? どうすればいいんだろう? 一体全体、死者の国で何をすればいいんだろう? 考えただけでもゾッとする……」けれども、いつの間にか彼は寝入ってしまいました。そして、知らず知らずのうちに、不可思議なインターディメンショナルな旅に入っていったのでした。