「もう一度恐れについて話そうじゃないか。それと、恐れのもたらす制約についてね。
恐れは、お前を動けなくし、制限を加え、壁を築き、お前を縛り付けるもの、お前から自由を奪うものだ。だが、魂はその本質上、永遠に成長するために自由を必要とする。
お前は信頼した時に初めて、受け取ることができる。自分の心を信頼した時に初めて、心からの望みを持つことができる。
自分の心を信頼するということは、自分の心を愛するということだ。
自分の心を本当に愛するということは、存在するすべてのものの心を愛するということなのだ。
本当の自分を信頼できて初めて、他の人を信頼することができるのだよ」
「また信頼と恐れの話か。ぼくのどこが問題なんだろう? これまでもよく言われたよな。ぼくはどういう意気地なしなんだろう……?」彼は、考えをまとめることができませんでしたが、大天使は、それを遮るように言いました。
「恐れを抱えて生きるってことは、必ずしも意気地なしという意味ではない。勇気があったって、恐れはある。だが、恐れに負けてはいけないよ。恐れは思いに過ぎないのだ」
この最後の言葉は、あまりに強烈で真実を突いていたので、フォールは思わず頭を振りました。やや間を置いて、大天使は圧倒的な一言を放ちました。
「その思いを手放すことだ」
そう言い放って、大天使は消えていきました。この最後の一言が残した沈黙が、辺りに漂っていました。そしてフォールは、何度も何度もつぶやいていました。「その思いを手放すことだ……思いを手放すことだ……思いを手放すことだ……」
この最後の言葉に、彼は不意打ちを食らってしまいました。どういうわけか、彼はすっかり混乱し、自分に腹を立てていました。それは不意に襲ってきた感情でした。
彼は眉をひそめてつぶやきました。「『思いを手放すことだ』……よく言うよ。そんなこと言ったって無理じゃないか。とてもできないよ!
どうしていつも、こうややこしくなるんだろう? 万事順調に行って喜んでいる時に、全く思いもかけない時に、どうしていつも、越えられない壁にぶつかってしまうんだろう?」
フラストレーションと深い無力感に襲われ、フォールは虚空を見つめて、ふてくされて叫びました。「もう、どうしていいかわからないよ!」
彼の無力感は、すさまじい勢いで戻ってきたようでした。そんなものはとっくに克服したと思っていたのに、まだあったのです。あっという間に燃え上がるような残り火が、灰の中から急にその醜い頭をもたげてきたのでした。深遠なほんの一言で、彼のつくられた自信はもろくも崩れてしまったのです。
そして、本当に久しぶりに、彼は泣きました。涙が溢れてきて、止まりませんでした。自分は無能だ、役立たずだ、もうダメだと思い、彼は文字通り泣きながら眠ってしまったのです。
けれども、その夜のレッスンはまだ終わっていなくて、同じ夜に、実に不気味な怖い夢を見たのでした。