君との夜
君の目にくちづけたいと思っているのに
君は我が心を知らず唇で受けている
そしてああ!白き胸
その頂上を口に含めば君はうめきて──
そのスリムな身体にいかなる力のあるぞ
我をさそい、我を惑わせ、我をみだし
果てしなき魔の世界に我を導きて
めくるめく夏の一夜は過ぎてゆく
その言葉は君の唇から洩れたるか
しびれたる我の頭の片隅に聞こえたる
得も言えず甘美なる言葉
おお、人妻よ、きれぎれの吐息にまざりたるその言葉よ
今や君の微笑みは晴やかにして
その美しき顔は更に輝きて
何事も我は君の我儘のままになり
今はもう女神のごとき君の振舞い!