不幸になろうよ
※投稿者 自称・苦労人で人格者三七歳
幸せすぎると人は調子に乗るらしい
表面では普段通りの冷静さを装っているけど
心の片隅では恵まれた自分の境遇に酔っていて
他人に対して無意識のうちに優越感を持ってしまう
一度のろけ始めると他人の嘆いている姿が次第に目に入らなくなる
だからやっぱり人間は悲しむことが大切だ
不幸は人を謙虚にさせる
幸せすぎると人は他人の痛みに鈍感になるらしい
みじめな経験をしたことがないとその心中に思いを巡らせることは難しい
自分は安全な高台にいて遥か遠くの下界にいる人を見下ろしては
「大変ですね」って無責任に言い放つんだ
だからやっぱり人間は傷つくことが大切だ
不幸は人を優しくさせる
幸せすぎると人は成長しないらしい
物事がうまく進んでいるときにその人の本性は現れてこない
ピンチに陥ったとき大きな壁にぶち当たったとき
その人の本当の器量が明らかになる
忍耐力や危機管理能力が備わっているか試されるわけだ
誰かのせいにしてわめき散らすのかただ落ち込んで途方に暮れるか
すぐに投げ出すのか
それともグッとこらえて地道に自分で原因を突き止めて
静かな闘志をたぎらせながら立ち向かっていくのか
成功ではなく失敗への対応の仕方でその人を判断すると間違いない
たくさん痛い目に遭えばその分心は鍛えられる
だからやっぱり人間は負けることが必要だ