至高の神は、つぶやくように、しかしはっきりと言いました。「フォール、わたしと共にいておくれ。怖がるのはおやめ。思い煩うのはおやめ。物事は必ずしも見たとおりではないのだ。信頼があれば、恐れを振り払うことができるよ。信頼があれば、どんな逆境も小さくできる。
唯一の『逆境』とは恐れそのものだ。そして、その恐れはお前の中にある。だが、その恐れを克服する力も、お前の中にあるのだ。
お前が恐れを手放さない限り、恐れもお前を手放さない。お前は恐れの虜になってしまう。お前の中には、恐れを解き放してやる力があるのだよ」
大きな沈黙が流れました。フォールは、この最後の言葉に圧倒され、口が利けずにいました。
至高の神は続けました、今度はもっと優しく。「お前には、愛の力、信頼の力がどれほど大きいかを理解する必要があるよ」
そう言うと、至高の神は去っていきました。その夜、フォールには、毛布が熱くなって鼻歌を歌っているような感じがしました。それくらい、触れることはできないけれども、温かい、むしろ熱いともいうべき存在 ─ 至高の神 ─ に抱きしめられている感じだったのです。彼はこの甘美で濃密な感覚に身を任せ、深い眠りに落ちていきました。そしてその夜、二つの不思議な、だがあまりにも的を射た夢に、彼の体は揺さぶられていました。
今度も、いつものように、映画を見ているような感じでした。夢の中には、主人公を演じているフォールと、上から映画を見ているフォールがいました。