盛んな資金集め
ランチタイムに、生徒が自分たちで作ったクッキーを売りに来た。他州で行われるスポーツ大会に参加するため、資金集めをしているという。1袋3ドル。先生たちがポケットマネーを出して買っている。私も買って食べた。美味しかった。中庭ではホットドッグやハンバーガーを売っている。かなり繁盛している様子だ。
どの学校でも資金集めは盛んだ。あるハイスクールでは、学期ごとに生徒理事会が企画する自由服登校日があり、その際、生徒は小銭(「ワンコイン」)を持参することになっている。集めた小銭は、学校コミュニティで役立てるという。資金集めは小学生の間でも盛んだ。
災害や慈善のための社会募金もあるが、自分たちのためのものも少なくない。学校の行事、個別に参加するキャンプやスタディーツアー、スポーツ大会やパフォーマンスの発表会などに必要な資金を集めるのだ。校舎の改修や備品の購入などにも使われる。保護者も資金集めをよくするが、参加は自発的だ。寄付する側も使い道がはっきりしているので募金しやすい。
集めたお金を自分たちのために使う
日本の学校は、生徒会や特別活動の一環として募金活動を行うことが多い。対象はユニセフなどの国際機関、赤十字、NGO、災害が起きた地域など様々だが、多くが社会に役立てることを目的にしている。自分たちのためのものは少ない。
先の生徒のように、対外試合の遠征費など自分たちのためにお金を集めるなど考えたことがないようだ。そんなことはしてはいけないと思っているようにも見える。
自分たちのためであっても、目的が明確で、それに賛同してくれる人から寄付を募るのは悪いことではないと思う。募金の趣旨や使われ方などをよく理解せずに活動するくらいなら、最近のクラウドファンディングのように、目的を明確に示し、興味を持ってくれた人から自分たちのためのお金を集める方がよいのではないかと思う。