そんなとき、女性会員も入れられずにロータリアンを気取っていても、それは単なる「時代遅れ」、「認識不足」、クラブにとって頭の固い粗大ゴミに過ぎない。

そんなクラブは、女性の側からも願い下げのクラブだ。

ロータリークラブのなかで女性を歓迎するところはたくさんある。彼女たちと話すと、「女性会員」と括(くく)られること自体に違和感を持っているようだ。

当地区に、「女性ネットワーク委員会」という委員会がある。女性会員を増やそう、女性同士の親睦・人脈づくりに役立てよう、との意味合いで作られたものだが、多くの女性会員には評判が悪い。

女性だけを区別した蔑視だとの意見だ。僕がガバナーエレクト(31)(GE)のとき、アメリカのサンディエゴ市で世界中のGEが集められて「国際協議会」と称する会合(ガバナーになるための一週間のカンヅメ研修会)があった。

多くのGEたちは自分の配偶者(パートナー)も随伴しての勉強会だ。実際、パートナーたちだけを集めたセミナーもあって、パートナーたちにロータリーの知識を得てもらい、GEの活動に協力を促すとの狙いもあるようだ。

その会場で、赤ん坊を乳母車に乗せて、金髪の女性の後を付いていく外国人男性に出会った。

年の頃は三○歳代半ばに見えた。彼に、

「君はどこの国のエレクトだ?」

と聞くと、彼はこう答えた。

「エレクトは彼女の方だ。僕は単なる付き添いだよ」

改めて周りを見渡すと、女性GEがたくさん目についた。最近、RIも「DEI」方針を主張している。

DEIとは、Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(解放性)と訳されるロータリーの方針で、

「ロータリーは多様性を尊重し、年齢、民族性、人種、肌の色、能力、宗教、性的志向、性同一性などにかかわらず、あらゆる背景を持つ人々の貢献を称え、そのような人が参加できる多くの機会を持てるような文化、すなわち多様的で、平等で、包容力のある文化を醸成する」

ことを宣言したものだ。

このような方針のもとにあるロータリーで、いまだ女性会員云々を問題にする会員こそが問題外だと誹(そし)られることに気付いて欲しい。