ステージ4からの認知症の症状や対応についてもう少し詳しく説明すると次のようになります。
ステージ4軽度のアルツハイマー型認知症では、記憶障害、特に短期記憶障害が目立ってきて「何度も同じことを言う、聞く」という症状が出てきます。ご家族が同居または近くにいる場合には、このあたりのタイミングで病院を受診することが多いです。
しまい忘れや置き忘れも多くなり、薬やお金の管理もうまくできなくなります。料理で失敗してお鍋を焦がしたり、味付けが変だったり、買い物で同じ物を何度も買ったりします。この段階では、家族などが薬や金銭の管理をしたり、家事も誰かが見守ったりして、もし本人が失敗しても安全なことだけを任せるようにするとよいと思います。この期間は、平均2年間ほどです。
ステージ5中等度のアルツハイマー型認知症になると、自分の身の回りの日常生活でも支障が出てくるので、声掛けや見守りなどの介助が必要になってきます。
季節に合った服を自分で選べなくなり、夏なのに何枚も着込んでいたりします。入浴も忘れたり、嫌がったりします。声掛けや介助を素直に聞いてくれればよいのですが、理解力も低下してきているので、介護に対する抵抗が見られたり、嫌なことに対して声を荒げたり、暴力が出たりすることもあります。その他、物盗られ妄想やいない人が見えるなどの幻覚、昼夜逆転や徘徊などといった異常行動もこの時期にしばしば見られます。この中等度の時期は1年半ほどです。
ステージ6とステージ7の高度のアルツハイマー型認知症では、尿便失禁が見られたり、言語能力が著しく低下してコミュニケーションを取るのが困難になってきます。この段階では介護の負担も相当重くなるので、高齢の家族がケアするのはかなり大変になります。何人かの家族でケアをするか介護サービスを充実させる、または施設でのケアが適切でしょう。