最初に、会長であるNKさん、幹事のYJさんという方との面会があった。NKさんは東京で事務所を持っている弁護士さん、YJさんは紙製品卸会社の社長とのことであった。

NK会長は、「ようこそ」と言って、僕に握手を求めてきた。どうやら、この会は握手をすることが挨拶なのだと知った。彼が言うには、

「僕も、今日から会長になったんだ。一年間よろしく」

えっ、今日から? しかも一年間だけ?

ここで知ったのは、

①ロータリークラブの年度は七月一日から翌年の六月三○日までの一年間であること。……アメリカナイズの年度だ! カッコいい!

②役職の任期はすべて一年きりで、会長といえども例外ではないということ。……民主的だ! さすがアメリカン!

③クラブで一番偉いのは会長であり、その番頭役のナンバー2を「幹事」と呼ぶこと。

④入会が認められるのは、NKさんのように住所か職場のいずれかが地元かその近隣にあればOKであること。その地に住んでなければならないということではない。

さあ、例会がはじまった。会場には一○人ほどが座れる円卓がズラリ。総勢七○人はいるだろうか。席は自由だということだったが、新会員の紹介があるからといって上座の席に通された。そのときMK社長が小声で一言。

「新人は、最初だけは上座に座れるけど、次回からはもう少し下の方に座った方がいいよ。新人のくせに生意気だ、と言う人もいるからね」

おや、案外、和風の序列意識を持つウエットな会員もいるのだな、と思った。

会長や幹事、その他副会長などの役員の席は、ステージの両隣に会員の方を向いてセットされている特別席だ。

ステージの後方には、国旗とロータリーのマークらしい歯車模様が描かれた旗が下がっている。もう一つ、「四つのテスト」と書かれた不思議な布きれも鎮座している。