固定資産税相続人代表者指定届

一時的に固定資産税を支払う相続人を決定したときに提出します。

不動産の所有者が死亡すると、各市区町村から遺族宛に「固定資産税代表者指定届」が送られてきます。

被相続人から相続人への名義変更手続き(いわゆる相続登記)が完了すると、各市区町村は新たな所有者である相続人に、固定資産税の納税通知書を送ることができますが、相続登記が完了するまでの間、誰が固定資産税を支払うのか決めてくださいという趣旨で、相続人に対し、固定資産税代表者指定届を送付します。遺産分割協議や相続登記が完了するまで、時間がかかりそうな場合、相続人代表者指定届を提出しておきましょう。

なお、この届出は固定資産税・都市計画税の書類送付先を定めるものであり、この届出を出したからといって権利関係が確定するものではありません。

手続き方法

納税することになった代表相続人が、各市区町村所定の書式に署名・捺印をして提出します。市区町村によっては、他の相続人全員分の署名・捺印を求める場合もあるようです。

未登記家屋の相続手続き

登記されていない建物を相続する人が決まったときに提出します。

登記されていない建物を未登記家屋といいます。亡くなった人が所有していた家屋が未登記家屋であった場合は、所有者を変更する手続きが必要です。家屋といってもその種類は、物置・倉庫・浴室・乾燥場等多岐にわたります。この場合の手続きの窓口は、各市区町村の資産税主管課(東京23区の場合は、都税事務所)といった税金にかかわる部署になります。

未登記であっても、固定資産税の課税台帳には建物所有者名が記載され、固定資産税が課税されていることがほとんどです。

毎年各市区町村から送られてくる固定資産税の納税通知書・課税明細書に、建物の記載がある場合であっても、家屋番号という部分が空欄の場合、未登記家屋である可能性が高いです。なぜなら、登記されている建物については、登記する際に家屋番号という番号がつけられるからです。

本来、建物を新築した際は必ず登記しなければなりません。もっとも、建物建築後に登記せずそのままになっている場合は、新たに建物を登記する際の費用や手間がかかります。そのため、相続の機会に未登記家屋を登記するということは、あまり行われていないようです。

重要なことは、未登記家屋であっても相続財産であるということです。相続財産である以上は、遺産分割協議書に記載して相続する人を決めなければなりません。

未登記家屋の場合、登記事項証明書はありません。その場合、評価証明書や納税通知書・課税証明書の記載を参考に、遺産分割協議書に未登記家屋を記載してください。

手続き方法

各市区町村によって申請書の書式に若干の違いがあるようですが、必要書類はほぼ同じです。

まずは、未登記家屋のある各市区町村等のホームページまたは窓口で、申請書や必要書類を確認してください。自治体によっては、申請書がダウンロードできる場合もあります。「未登記家屋の所有者変更届」と併せて、以下の書類の提出を求められることが多いようです。

必要書類等

①未登記家屋の所有者変更届(各市区町村独自の書式)(相続する人の実印の捺印を求められることが多いようです)

以下は、相続登記の際、法務局に提出するものと同じです。

②遺産分割協議書、遺言書などの相続を証明する書類(遺産分割等がない場合は、法定相続人の合意書や同意書が必要になることがあるようです)

③被相続人の出生から死亡までの戸籍関係書類一式

④相続人全員の戸籍謄本

⑤相続人全員の印鑑証明書

■ワンポイント 未登記家屋の名義変更

未登記家屋であっても相続財産であるため、名義変更手続きが必要です。必要書類は相続登記に使用するものとほぼ同じです。

相続登記完了後の書類を持って、各市区町村の資産税主管課(東京23区の場合は都税事務所)に行くことで、未登記家屋の名義変更手続きをスムーズに行うことが可能です。