住友グループの企業理念
住友の企業理念(事業精神)は次のとおり。
1.信用・確実
最も重要なビジネス基盤である「信用」を維持していくため、一人ひとりが「確実を旨とする」仕事、すなわち、相手を裏切らない、言ったことは必ず成し遂げることを重んじなければならない。
2.浮利を追わず
価値創造を伴わない目先の利益に惑わされてはならない。自ら知恵を絞り、汗を流して、取引先や市場に価値を提供し、それに見合った対価を堂々といただく事業を行うべし。
3.自利利他公私一如
自分たちだけが利潤を上げることのみを目的とするのでは不十分であり、国家や社会の利益を叶えるほどの壮大な事業でなければならない。それだけの企画の計画性と報恩の精神、使命感をもって仕事すべし。
4.進取の精神
時代の変化に際しては積極的に一歩先んじるべし。時代に合わぬものは廃し、時代が必要とするものを興さねばならない。
「信用・確実」はもちろんであるが、「浮利を追わず」「自利利他公私一如」という企業理念はさすがに住友である。他の企業ではなかなかこうは言えないのではないか。江戸時代から連綿と続く住友の強さの源泉はこの企業理念、経営哲学にあるように思える。
住友は祖業の別子銅山を事業の根幹としてきた。この間に育まれたのが「浮利を追わず」「自利利他公私一如」「進取の精神」である。
何事にあたっても、遠い将来を見据えて綿密に計画をたて、すぐに結果が出なくても次代、三代にわたって開花させるよう努力を続けることを奨励している。それは具体的に煙害解消のための四阪島への製錬所移転、別子銅山での植林事業、新居浜築港事業など多くの事業に見ることができる。
銅精錬の技術革新により日本を有数の銅産出国にする一方、植林により地球環境や地域コミュニティにも配慮してきた。これが今求められているESG(環境・社会・企業統治)の考え方に繋がっていることもこうした理念があったからこそである。