エッセイ 『心に咲いた向日葵』 【第10回】 丸山 珠輝 「大声を張り上げたって誰も来ない」両手を捕まれ、無理やり触らせられ…。ことが終わると、涙を流しながら夢中で手を洗い続けた 【前回の記事を読む】「覚えるともうかるぞ」私はマッサージの"スペシャル"の意味をようやく理解した。そう言って横になっていた男は上向きになり…「スペシャルなんか教えていただかなくて結構です。そんなことまでして稼ぎたくありません」「おめえ、ようく考えろよ。めくらってのは、人に迷惑かけることが多いんだろう、そんな時に札びらちらつかせてみろ、少しはおめえらに手を貸してくれる者も出てくるってものよ。世の中…
小説 『テーバイの将軍エパミノンダスとペロピダス』 【第4回】 竹中 愛語 女装し、樅や松の葉で顔を隠してヘタイラ(芸妓(げいぎ))に化ける…自由を取り戻すため酒宴での誅殺計画が進むが… 【前回の記事を読む】ヘラクレス像に誓う十二人の決死行――雪夜に潜入し裏切り者を討ち故郷奪還に挑む「そうか。では、我々は二手(ふたて)に分かれて行動しよう。一隊が宴席へ向かってアルキアスら二名をしとめ、あとの一隊がレオンティアデスとヒュパテスを襲う」「では、宴席には、このカロンが赴こう」カロンが名のりを上げると、ペロピダスも遅れるまじと、「ならば、わたしが、レオンティアデスとヒュパテスのもとへ行く…