若夫婦は「奇跡だ!」と言ってただただ喜んでいましたが 私は スルガザウルスの尾が波間に突き出て まるで犬のように左右に振られているのを見ていました 嬉しかったんですね スルガザウルスも
この時のスルガザウルスも分身の一つでした 水難事故は海の荒れた日には 浜名湖と遠州灘の時のように 同時に何カ所かで起こることがあるので 夏期には分身になって行動することが多いのです
昔と今ではスルガザウルスの行動も大きく変わってきています 戦や戦争がひっきりなしに起こっていた昔は 殺し合いや火事も頻繁で戦場や家々の消火 大量に出た血や遺体を流し去ってしまうようなことまでも スルガザウルスがやっていましたので
それこそ寝る間もないほどの忙しさでしたが 今の静岡には戦や戦争もありませんから スルガザウルスの活躍の機会は 昔に比べればだいぶ減りました
ただ 頻発するようになった異常気象による洪水や氾濫
高温による熱中症など 昔はなかったようなことが急激に増え その被害も年々大きくなってきています
洪水の場合は たとえ一つの河川だけでも大変です 一カ所土手が崩れ始めるとあっという間に数カ所に被害が拡大してしまうので 六ザウルス全員を動員しても足りません 実際に同一河川で六カ所以上も土手が崩れた例はいくらでもあります
ましてや県内のいくつかの河川で同時に起きたりすると もはや全くのお手上げ状態になってしまいます 災害が起こってから 初めて対処しようとするのでは全然間に合わないのです
そのための準備期間が絶対に必要になってきました その期間が冬場なのです
冬場は植物なども少ないため 土手や地面を直接目にして 必要があれば手で触れてみて 慎重にチェックすることができるのです