小説 『あら、50歳独身いいかも!』 【第3回】 武 きき 帰ろうとすると「ダメだ。もう僕の物だ」――キスで唇をふさがれ終電にも間に合わずそのまま… 【前回の記事を読む】10歳年下の彼から突然の告白。戸惑いつつも相手を試すように口にした「私を○○○みる?」その言葉とは…はぁ~とため息が出る。久しぶりに男の匂い。ゆっくりベッドを出て、シャワーへ。「涼真君、私帰るね。終電に間に合うから」「ダメだ! 帰らないで。泊まって!」「何言っているの! 着替えも無いし。帰る……」ベッドに引っ張られ涼真君の腕の中。「ダメ。明日休みだから買い物行って、映画も見よ…
小説 『カスバの女』 【第22回】 竹中 水前 砂漠の中の映画館。砂の上にじかに座って観る映画は従業員の唯一の娯楽であった 【前回の記事を読む】加藤と井原が二台分のタイヤ二十本をくまなく点検した結果、ほとんどの問題をクリア。しかし合格するには走行距離がまだ足りず…「トラックパーキングの調査は問題ない。明日明後日の使用済みタイヤの調査だが、ワークショップの脇に何本かは棄ててあるかも知れないが特定の廃棄場所はない。ほとんどのトラックドライバーは砂漠の中に棄ててくるようだ。広いサハラ砂漠だから棄てても邪魔にはならない」そう…