すると、あの響きわたる声が彼の行く手を遮りました。

「われわれは批判などしないよ。お前が批判されるなんてことはありえないさ」

それは声というよりも、音という感じでした。それくらい大きかったのです。その音で、彼の頭の壁という壁は、力強く震えました。今のは誰? 至高の神さまではないよね。そんなふうには感じられなかったから。

すると、もっと強烈な振動が襲ってきました。諭すような、優しい大きな力の感触がありました。

「フォール、われは大天使ミカエルである。あとでもう一度お前のところに戻ってこよう。今わたしと一緒にいるのは、お前の質問に答えてくれる天使だ。お前はまず、自分の質問を整理してはっきりした言葉にし、大きな声で言わなくてはならない」

フォールの頭の中はぐるぐる回っていました。大天使ミカエルだって? まさかそんな、アーキエンジェル・マイケルだなんて! あんな有名な大天使が! と思いながらも、彼には、今はそんなことを考えている時ではないことがわかっていました。

フォールは、天使にまっすぐ質問を投げてみることにしました。

「恵み深い天使さま、どうか教えてください。今ここに生きるとはどういう意味ですか?」

「今ここ」の天使

「フォール、わたしは『今ここ』の天使です。わたしは女性のエネルギーであり、内について話します。今ここにいるとは、内にいるということです。わかりませんか? あなたが考え事をしている時、気が散っている時、まだ来てもいない未来の心配をしている時、内には誰もいないのです。

自分を責めたり、後悔したり、懐かしがったりして今はない過ぎたことを考えている時、内には誰もいないのです。自分の体が貝殻のように固くなっている時、内には誰もいません。