日本列島の変遷
今から約2億5千万年前、世界はパンゲア大陸というひとつの超大陸からできており、超大陸での日本は北極に近い場所にありました。その後、2億年ほどかけて大陸が位置を変えながら次第に分離し、現在の形に姿を変えていったのです。
その頃の日本はユーラシア大陸の一部でしたが、今からおよそ2500万年前、ユーラシア大陸に太平洋プレートが深く潜り込み、マグマの奮発によりユーラシア大陸の一部が分断されました。それにより日本列島と日本海ができたのです。
日本列島が中央部から折曲がっているのは南海トラフと日本海溝の向きが異なっているためです。海溝とトラフは、海洋プレートが沈み込んでいる場所のことで、深さ6000m以上を海溝、6000m以下をトラフといいます。
プレートテクトニクス
地球は半径6400km、質量6×1021トンの巨大な物体で、中心部は鉄分を主体にした核、その周りはマントルと呼ばれる岩石層から成っており、内部の温度は4000℃から6000℃にも達しています。マントルの熱源はウラン、トリウム、カリウムなどの放射性物質で、これらの元素が崩壊して放射能を出し、別の物質に変わっていく過程で熱を出すのです。
マントルは対流により1年に2cmから3cm程上向きに動いており、その上にある厚さ100kmから200kmのプレートがこれに伴って動きます。海嶺とは地下のマントルが上昇してマグマを噴出する場所のことで、海嶺から噴出したマグマは、海水により冷やされてプレートとなり、左右両方向に押されて移動していきます。
海嶺の大きなものは中央海嶺と呼ばれ、代表的な大西洋中央海嶺や東太平洋海嶺のほかに、太平洋南極海嶺、インド洋の3つの海嶺とチリ海嶺の7つの中央海嶺があります。
大西洋中央海嶺は大西洋の中央部を南北に貫く海嶺で、ここで生まれたプレートは、アフリカ側に向かって動くものと、アメリカ側に向かうものとに分かれます。東太平洋海嶺は南極海からチリ沖を経て、メキシコ、カリフォルニア湾に連なる海嶺で、ここで生まれた太平洋プレートは、約2億年かけて日本海溝に沈み込んでいきます。
ハワイは太平洋プレートの上に載っていることから、年間7cmから8cmほど日本側に動いており、1億年後には日本列島に衝突するといわれています。