2035年頃には『浮遊限界マンション』の存在そのものが顕在化する

東京オリンピックや大阪万博も終わり、世間が華やいだ一時的な賑わいが収まり、建設や観光の経済活動にも落ち着きが見えて、静かになった2030~2040年頃には、分譲マンションについては、高経年マンションが増加してきています。

そして、築40年以上の超高経年マンションは、空き住戸も多くなり建物維持活動も管理組合活動も停滞している、不全浮遊の限界マンションが目立ってきます。夜になっても部屋に明かりがつかず、人の出入りもなく、外壁には落書きがありゴミも積まれており、得体のしれない者が不法占拠するケースも出てくるかもしれません。

マンションの区分所有者に管理能力がなく、その上、解体も打開策も打ち出せず、管理状態にもないゴーストマンションとなります。正に、社会的迷惑物体となります。社会風紀や規律にそぐわない存在となります。

しかし、個人的な財産物件である為、行政の介入は一般的には、できないものと考えられます。余程のこと以外は介入できないと思います。社会治安に悪影響が出ているとか外装材などの剝落により第三者に被害を及ぼす恐れや災害時に避難経路の遮断などの影響が予測される場合は、強制的な行政による改善命令や解体代執行は考えられますが、この場合も、かかる経費は、税金では社会的理解が得られませんので、解体する以前の区分所有者に支払い義務は残ります。

解体後の更地の土地売却費を充当するとか、区分所有者に維持管理不良による民事罰が科せられると思います。そうでなくては国民間で不公平となります。民間の所有財産の処分に公金である税金を充当することはできません。