俳句・短歌 短歌 医師 2020.11.07 短歌集「花の影」より三首 歌集 花の影 【第1回】 松森 邦昭 医師として、多くの命と向き合ってきた著者が綴る、日常、仕事、家族のこと――。 本書では、著者が趣味で書き溜めた短歌を一冊にまとめた。 季節の歌や旅の歌に加え、本業である医者としての日常や患者との出会いなどに関する歌も収められている。 温かな生命が宿る短歌を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 次回の記事へ 最新 浮く心なだめ鎮めて花の影一輪ごとに絵に写しゆく 春がすむ空にも染まず天をさし純白のしろ木蓮の咲く お女郎が赤き唇つき出して一寸お寄りと怪しの椿
小説 『眠れる森の復讐鬼』 【新連載】 春山 大樹 赤信号無視の乗用車が、トラックに衝突し大破した。シートベルトをしていなかった重症の若者が搬送された、その病院の医師は… けたたましいサイレンの音が鳴り響いている。そしてその音は嫌な気持ちになる程どんどん大きくなってきて、すぐそこまでやってきたと思ったら突然聞こえなくなった。ERの自動ドアが開いて救急車から下ろしたストレッチャーを白いヘルメットと青いコートを身に着けた二人の救急隊員が中に運び入れた。ストレッチャーの上で、頸椎カラーを装着され、オレンジ色のクッションで頭部をバックボードに固定された若い男が苦しそうに冷…
小説 『雲海のエガミ』 【第20回】 こた 倒れている老人を助けたところ、「優しくしてくれたお礼に…」とあるものを渡され、そのあと老人は息を引き取った 一方、ラ・エンカは、大幻透視師ミヤンから教わったエデンの花の生息地に向け旅を続けていた。エデンの花は開眼の実と言う名の実が生り、その実を食べると知りたい情報を頭の中で見る事が出来た。エデンの花の生息地は毎年変わり、見付けるのが困難の為、幻の花と言われていた。一説では、エデンの花が咲く上空には、記憶の森があり、その中心に在ると言われるクレアーレの泉から滴り落ちた水からエデンの花が出来るのではと噂さ…