浮く心なだめ鎮めて花の影一輪ごとに絵に写しゆく
春がすむ空にも染まず天をさし純白のしろ木蓮の咲く
お女郎が赤き唇つき出して一寸お寄りと怪しの椿
医師として、多くの命と向き合ってきた著者が綴る、日常、仕事、家族のこと――。
本書では、著者が趣味で書き溜めた短歌を一冊にまとめた。
季節の歌や旅の歌に加え、本業である医者としての日常や患者との出会いなどに関する歌も収められている。
温かな生命が宿る短歌を連載でお届けします。
浮く心なだめ鎮めて花の影一輪ごとに絵に写しゆく
春がすむ空にも染まず天をさし純白のしろ木蓮の咲く
お女郎が赤き唇つき出して一寸お寄りと怪しの椿