年の瀬の仕事納めの日、照将さんは私に会いに来ました。車の中で熱い口づけをし、身体を求めてきました。そして二人は何度も身体を重ねました。
私は、照将さんに求められるまま身を委ねました。長い年月が経ちましたが、昨日のことのように思い出されます。それからは、会った時は必ず私を抱きしめ身体を求めてきました。
照将さんは、毎日私の仕事の終わる頃、迎えに職場へ来ました。そして、身体を求めてくる日が続きました。およそ三十年、男女の営みは変わることなく続いてきました。私を求め続けてきました。私は、これも照将さんのストレスの解消と思い許し続けてきました。それでも、幸せな思いでいっぱいでした。
一緒に出かけた旅先で、照将さんはこう詠んでくれました。
憂いつつ
駅を降りれば
声を聞きつつ
身が軽くなり
(照将さん作)
伊豆に宿泊した時です。
照将さんが毎朝夕、私が通勤で駅に降りる時間に合わせて、電話をかけてくれました。
ずっと続く日々、幸せを感じる日々でした。
梨が届く
ふとした出会いから付き合い始めた私たちは、互いに心も身体も許すようになりました。
それぞれの来し方を話すうちに、照将さんと私のふる里は共通点がある地域であることを知りました。そこに運命的な出会いを感じました。
二人の郷里が、共に梨の名産地だったのです。
夏から秋にかけて梨を食べるのは、物心ついた時から普通の風景でした。栽培している農家は梨への思い入れが強く、梨への熱い思いを聞いて育ちました。
照将さんのお家も、代々梨園を経営されていると聞いていましたので、会った当初から親近感がありました。そして、子どもの頃から、梨栽培の苦労を見聞きしてきましたから、照将さんの苦労も理解してきたつもりです。
丹精こめて作られた梨を照将さんが届けてくださった時は、大事に仏壇に上げ、その後頂きました。とても瑞々しく美味しかったです。
初めて頂いた時の段ボール箱は、大切にしていて、今も私の車に荷物と一緒に載せています。私といつも一緒です。
照将さんにはご自慢の梨で、私に味わってもらいたかったのでしょう。
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