アルミホイルは、箱から引っ張り出してそのままだと、紙と一緒で、ふにゃふにゃして使えないが、そっと丸めて、もう一度広げると、表面に細かいシワが入り、このシワのおかげで、形が崩れない。

このシワ入りアルミホイルを半月状にカットして、真ん中にゼムクリップを付けて重りとし、上反角を付けて、優しく飛ばしたら、螺旋状に滑空しながらに見事に飛んだ。タイムはたった五秒だが、コンテスト参加者たちからは大絶賛を受けた。

女性の参加者は私だけだし、ましてや、誰もが軽い材料で翼を作っていたのに反して、その真逆の重い金属の翼にしたのだから。石井は笑いながら言った。

「もう、アルミホイルを使うなんて、主婦には敵わないなぁ。でもこれ、飛行機教室に使えるかもね!」

二〇一八年から石井の飛行機教室のアシスタントをしつつ、ストークの本の原稿を書いているうちに、私は飛行機の科学を理解し、ストークに精通した変な主婦になっていた。

ストークの修復作業は、ストークAとBのメンバー以外には決して触らせようとしなかった石井だが、私を唯一の例外として仲間に入れたのは、そこに理由があるのかもしれない。

二〇二一年八月二十三日、私は新幹線の小山駅に降り立った。石井が車で迎えに来てくれたので車中で修復の状況を聞いた。修復現場の近所には飲食店が少なく、食事のために、いちいち車で移動し、時間を無駄にしているとのこと、どうやら主婦として私の出番がありそうだ。

コロナ・コンテストのルール

自分の家で飛ばすこと。

スパンは二二〇ミリを超えないこと。

材質、重量は問わないが、気球は不可。

どのように打ち上げてもよい。

持続時間は秒単位で、一秒未満は切り上げ。