はじめに
これは、18年間にわたり妻を老老介護した記録に基づくお話です。
身内の介護を経験したことのある人は皆さん実感していることと思います。介護を終わった時点では「〇〇年介護をしました」と言えますが、介護が始まった時にはこれがどのくらい続くのか分かりませんから、初めて経験する諸々のことに夢中で対応して気がついたら「……でした」ということが言えた。というのが実感ではないでしょうか。
難病に罹患して18年間の闘病でしたから、当然のことながら病状はゆっくり悪化の方向に進み、病状に即した(少なくともその時点では良いと思われる)対応をしました。
要介護2から始まった要介護度は、病状の悪化に伴って要介護4、要介護5になりました。要介護2から要介護5になったということは、それだけ身体障害、認知障害の度合いが進んだことを意味します。
要介護度の変化に伴い、服用する薬、医療をお願いする医療機関、使用する福祉用具、介護施設等が変わってくるので、最初の6年間を前期、次の6年間を中期、最後の6年間を後期として、それぞれの期で起こったこと、対応したことの記録です。
私は現在八十五歳。後期高齢者を対象に市が実施する健康診査で、身体計測、血圧、尿検査、脂質代謝、肝機能、糖代謝、腎機能、末梢血一般の、どの検査項目も異常値が出たことがなかったので、毎年実施の案内が来るのに、ここ数年受診をさぼっていました。
ところが、八十五歳になった直後のある時トイレに行ったら、全く考えたことも、想像したこともない真っ赤な尿が出てびっくり。早速診察券を持っている総合病院に受診予約の電話をしたのですが、泌尿器科は受診希望者が多く一か月以上先でないと予約ができないので、近場の医療機関を当たってみてくださいとのことでした。