【前回の記事を読む】マッチングアプリでの会話は表面的で即物的 いざ実際に顔を合わせてみても話の合わない人ばかり…
愛しき女性たちへ
一
仕事のこととか好きな食べ物の話などをしながら食事をし、デザートとコーヒーを飲み終わった頃、
「じゃあ行こうか。部屋を取ってある」
え?……別に危険な匂いがするわけではないが、初対面で寝るの?
「あ、いえ今日はお食事だけというつもりでしたので……」
と言ったら急に険しい顔付きになり声色も変わって、
「いくら欲しいんだ!」
と言ってきた。
そこでちょっと怖くなり、取りあえず謝ったけれど、割とハッキリと言う性格なので、
「ごめんなさい。でも私メールで言いましたよね。まずはお食事だけって」
「もういい!」
と言い残し、乱暴に席をたって一人で帰って行った。さすがに会計はしていったが。
凄く気分が悪かった。私が馬鹿だった。
マッチングサイトで出会うオトコなんてこんなものなのだろう。みんな少しでも手軽に早く安く女を抱くことだけしか考えていない。本当は食事代も払いたくないんだろうと思った。
もちろん三人とも交通費などはくれなかった。やっぱりこんなところでイイオトコと出会えるわけがない。ロマンチックで静かに愛が醸成される出会いなんて妄想だったのだ。時間の浪費だった。しかも不愉快な気分になるなんて。もうやめよう。
と言いながらグズグズと続けているうちに三ヶ月も経っていた。
次々と女性が登録するので、オトコもだけど、一ヶ月もすると『古い』登録者は後ろの方に追いやられて見向きもされなくなる。
メールも殆ど来なくなり、新規に登録した男のプロフィールを読むのも飽き飽きしてきた。
もう辞め時かと思った。今日が最後というつもりで最後のアクセスをした。
そして見つけた。