悠々と空にくつきり秋の月
夜なべ抜けだし旅に出たかり
西の端の稲田の染まる朱鷺色を
この一線に秋の暮れゆく
西行にゆかりの寺を訪ねたり
花ひとひらの膝に舞ひ来る
“気がつけば超電導の虜なり”
――科学と日常を結びつける新しい文芸の形。
電気抵抗ゼロで世界に革新をもたらす夢の科学技術「超電導」。日々刻々と新しい技術に取って代わられる科学の世界において、人の寿命にも伍する100年以上の歴史を刻む「超電導」を、「5・7・5」の長句、「7・7」の短句を詠み重ねる歌仙方式で花鳥風月を織り交ぜ、詠いあげる。科学叡智の結晶「超電導」は、歌仙の響きと共にやさしく世界に溶けていく。
松尾芭蕉が作り上げたと言われるこの型式の、独吟による「ひとり歌仙」を連載にてお届けします。
悠々と空にくつきり秋の月
夜なべ抜けだし旅に出たかり
西の端の稲田の染まる朱鷺色を
この一線に秋の暮れゆく
西行にゆかりの寺を訪ねたり
花ひとひらの膝に舞ひ来る