いや、私が更生させてやる。

望みはあるのか? わからない、でもやってやる。

若気の至りだった。私は意地になっていた。

結婚を夢見る私の、甘い考えだった。結婚したら全て解決すると思っていた。

でも現実はそうはいかなかった。

臭い物には蓋はできない。

マイナス要因は大きくなりこそすれ、解決することはなかった。世間知らずの私が甘かった。

暴力を振るう人は絶対に直らない。以前の私にはわからなかったが、今はこれが断言できる。

私達はそれぞれ実家暮らしをしていたが、彼は常に束縛がひどかった。

私が女友達と会うのすら怒るので、次第に彼と私、ふたりだけの世界になっていった。

暴力を振るうような男は、束縛、洗脳の潜在的な能力がなにかしら備わっているのではないかと思う。

些細なことでも気に入らないと殴る、蹴る、髪の毛を持って引きずり回す、暴れる。

それで怖がって私が逃げていたら被害も最小限に済んだのだろうが、私はそんな彼といつも身体が完全に動かなくなるまで戦っていた。

あんなに筋肉痛になったことは、私の今までの生涯で他に一度もない。

喧嘩の後はそこら中に私の髪の毛が散らばり、物が転がり、壊れ、たまに洋服も破けたりしていた。

彼はラグビーをしており、身長183センチメートル、83キログラムの巨体で、力ももちろん強かった。

それに比べ、私は身長152センチメートル、42キログラムのチビで非力だった。

次回更新は4月7日(月)、18時の予定です。

 

【イチオシ記事】3ヶ月前に失踪した女性は死後数日経っていた――いつ殺害され、いつこの場所に遺棄されたのか?

【注目記事】救急車で運ばれた夫。間違えて開けた携帯には…「会いたい、愛している」

【人気記事】手術二日後に大地震発生。娘と連絡が取れない!病院から約四時間かけて徒歩で娘の通う学校へと向かう