重荷を下ろせた、子供達

「井上呉服屋さんまでお送りして」と秘書に。

「今井さん、ありがとうございました。呉服屋さんまで送ります。ぜひ、お夕食は一緒に取りたいです。よろしいですか」

「喜んでご一緒いたします」

呉服屋へ向かう車中で秘書に、

「私が亡くなられた奥様に似ていたのですね」。

「はい、僕はびっくりしました」続けて、

「優斗君と彩香さん、声を出して泣いているのを見て安心しました。お葬式の時も我慢して泣かなかったのです」。

「そうだったんですか」

「あなたはいつも私を導くのですね。あなたが京都に連れてきて頂いたから、お二人に会えたのです。山本さんとは、深い縁がありますね。大切にしましょうね」

「ああ、素晴らしい方とお付合い出来て幸せだな」

「君は僕の大切な友人をいつも幸せにしているね。ありがとう」

「人を引き寄せる力が俊さんにはあります。私もそうですよ。俊さんだけに心を開いたのです。結婚出来て良かったです」

「僕達、二人でほめあって、おかしいな、運転手さんすみません。アハハハハ」

「いいえ、幸せな気持ちになります。もう少しで着きますよ」

「ありがとうございました。気を付けてお帰り下さいね」

井上呉服屋に着いた。