第三章 第三の人生スタート
引っ越しから六か月、明日から、絵画教室が始まる。楽しみ。
教室に通う前に二度下見に行き、素敵なカフェもあるから教室に行く前にお昼を済ませて、ゆっくり本を読んで教室に行こうと決めている。爽やかな天気だ。まるで応援されているよう。
十二時前について、ランチをして、コーヒーを飲みながら小説を読む。三十分前にカフェを出て教室に向かった。少しドキドキしている。先生に色々教えてもらい、準備に入った。
アッという間に二時間が過ぎた。少し緊張していたので疲れた。四時過ぎカフェでアイスカフェラテを注文、夢を見ていた風景。
嬉しい~。六時頃家について夕飯も簡単に済ませてシャワーに入ってもまだ十時。小説を読みながらベッドに入った。
朝、ゆっくり起きて洗濯、掃除も午前中で終わってテレビを見ながらお昼を済ませたら、夕方買い出しに行こう。毎日が充実している。絵画教室に通って三か月。毎週楽しみ。
自宅を十一時に出て、教室の近くのカフェでランチ。ゆっくり本を読んでいた時、反対側の席の男性がこちらを見ている。嫌な感じ。気にせずゆっくり食事を済せて教室に向かった。教室について準備をして楽しい時間が過ぎた。二時間ってこんなに早いのかってびっくりした。やはり疲れた。
カフェで、教室で習ったおさらいをし、六時前だが、ここで夕飯まで済ませようと思った。グラタン、ハンバーグ、カレー。迷った。
「よし、ハンバーグ、コーヒー付きで」
注文した。今までこんなことなんか無かった。なんて自由なの。離婚から八か月がたっている。先程からこちらを見ていた男性が声をかけてきた。
「あの、少しいいですか?」
「はい、何でしょう」
顔も見ないで返事をした。
「近くの絵画教室に行っていますよね。実は、僕も通っていて教室に行く前にお昼を済ませて、帰りに夕飯まで済ませているのです」
続けて、
「お昼も見かけて、教室でも見かけて、今カフェで見かけたので声をかけました」
「そうですか」
とツンとした態度。小説を読んでいるふりをした。
「何! ナンパ?」
こんなおばさんに。夕飯をすませて急いで帰った。本当はゆっくりするつもりだったのに邪魔された気分だった。ショッピングをして帰ろう。
色々見ていたら何と又、元夫と彼女を見かけた。今日はついてない日だ。そしてまたまた、駅で先程の男性と会ってしまった。急いで家路に着いた。
さぁ、今日から洋裁教室。初心者コースで五十代から六十代五名でスタート。型紙取り、裁断、基礎から始まった。アッという間の二時間。
「みんなで、コーヒー飲まない?」