9月の新連載のお知らせ

夏の名残を感じつつ、新しい物語で気分転換♪
9月は11作品が連載スタート!


9月15日(日)
8時~『義満と世阿弥』貝塚万里子
18時~『仙一』古川晋次
20時~『マンションの未来は住む人で決まる』久保依子
22時~『あなただけが消えた世界』上島薫

9月16日(月)
8時~『北の国のトイレ日記』岡安俊明
18時~『左遷、最果てのパラダイスへ』木山空
20時~『兎角儚きこの世は』白井忠彦
22時~『海外百ヵ国以上一人旅で考えた事・実践 文庫増補改訂版』高木真

9月17日(火)
8時~『今のこのままの日本でいいのか』一粒野麦
18時~『おこめができるまで』みうらやすよ
20時~『センセイの一番の本音?』田村正志

9月15日(日)8時~

『義満と世阿弥』
貝塚万里子

その出逢いは、宿命。 室町時代を舞台に緻密で重厚な筆致で描かれる、傑作歴史小説。

 

死んでも覚えているのは何なのだろう。 詩歌か、音曲か、それとも涙か――
片や、己の欲するがまま、この世の全てを掌中に収めた男。
片や、深い悲しみと屈辱を糧に己の全てを芸術に捧げた男。
運命的に交差する二人の、三十四年に亘る物語。

本文をチラ見せ!

「醍醐寺七日間連続公演」で京都中の話題をさらった観世座が二年後(一三七四年)の今日、いよいよ栄えある将軍お成りの能公演をするとあって、会場の今熊野神社界隈は朝から熱気と興奮に包まれていた。観世座の座長・観阿弥は、当時流行していた曲舞の拍子を取り入れて能の改革をして座の人気を一挙に高めた功労者である。しかも、成功して尚決して驕らぬ謙虚な人柄が幅広い層から好感を持たれ、その人気は絶大だった。もっとも、常に新しい刺激を求める都の人の一番の興味は…


9月15日(日)18時~

『仙一』
古川晋次

不器用ながらもまっすぐな感情を貫いた先にあったもの――

 

まだ成人にも成って居ない仙一だったが、それなりの考えは巡る。
社会に出て一人前になると云う意味には、好きな女の子が出来てその子と恋をし、 やがてその恋が稔リ、結婚へと進んで行き、そして子供も出来、齢を重ねて行く。
只、今の仙一は、八重子を抱きたいという思いで頭が一杯になっている。(本文より)

本文をチラ見せ!

仙一は夢を見ていた。
父に手を引かれ、路面電車の石畳の線路の上を歩いていた。
自分はまだ3歳かそれより幼く、5本の指で父の左手の人差し指と中指をしっかり握りしめ、明るい夏の眩しい陽の光から逃れる様に、父の身体に寄り添って歩いていた。
父が言った。「このまんま父ぅちゃんと行くか」仙一は黙って頷いた。…


9月15日(日)20時~

『マンションの未来は住む人で決まる』
久保依子

あなたの一歩で始まる、マンションの新たな明日

 

ご近所トラブル、理事会の運営、管理費や積立金などのお金の問題……。
共同住宅で生じる様々な問題に対して、当事者である住人たちは、どのように関わっていくべきなのか。
マンション管理業に長年携わってきた著者が、そこに存在する数々の人間ドラマとともに、マンションコミュニティ構築のポイントを描く。

本文をチラ見せ!

日本語の「管理」という言葉の響きには、上の方の立場から全体を見回して、下にいる人々の行動を監視しているかのような、そんなイメージがある。管理という用語を説明するときに、ひと昔前の社会主義国において国家が人民を掌握しようとした例を出す人もいる 「マンション管理」という言葉でも同様の印象を持たれることがある。
しかし、マンション管理では、誰かが上位にいるわけではない。何を決めるのも合議制だ。また、居住者の情報は…


9月15日(日)22時~

『あなただけが消えた世界』
上島薫

今となりにいる人が、明日もいるとは限らない。

 

夫がくも膜下出血で亡くなった。
悲哀、後悔、不安、感謝、そして愛。
ありのまま、心のうちのすべてを綴ったノンフィクション。

想像してみてほしい。 あなたにとってとても大切な人が、明日死ぬとしたら…… (中略) 自分自身はもちろん、大切な人にいつ何が起きるのかは分からない。
明日もし、事故にあうとしたら。車椅子になるとしたら。
寝たきりになるとしたら。植物状態になるとしたら。
目が見えなくなるとしたら。耳が聞こえなくなるとしたら……
やり残した事や伝えたい事はありませんか。(本文より)

本文をチラ見せ!

死というものは、どこか遠くにあると勘違いしていた。
死というのは、私たちのすぐ隣にあった。
明日自分自身が、大切な人が生きているなんて保証はどこにもない。
そんなありふれた言葉だけれど、どうして私は今までもっと真剣に考えなかったのだろう。…


9月16日(月)8時~

『北の国のトイレ日記』
岡安俊明

一つの家族から学ぶ、コミュニケーションの尊さ

 

トイレに吊るした大判カレンダーの余白に、 父親がたまたま子どもの様子や言葉を書き込んだことから始まった。それは当時小さかった渓太、弟に母を 含む家族全体の習慣となり——。
それぞれの思いを書き連ねて重ねた、家族の軌跡をたどる。現代の家族間のあり方に、一石を投じる子育て奮闘記。

本文をチラ見せ!

北海道のど真ん中、富良野スキー場にほど近いペンション街のはじっこ、学校からは少し遠いけれど、森のとなりの自然いっぱいの家で、渓太は生まれ育ちました。小さいころからはだしのはだかんぼうで野山をかけめぐり、冷たい池や川での水遊び、冬は雪の中を転げまわっていました。その渓太とまわりの人たちのお話です。
子どもを取りまく環境はきびしく、子育てをためらう現状はとても悲しいことです。子どもは無垢で辛辣で、その喜怒哀楽は親にとってはとても…


9月16日(月)18時~

『左遷、最果てのパラダイスへ』
木山空

飛ばされたのは、太陽と海が輝く沖縄——

 

失意の中行き着いた南の果てで、人生逆転を目指した挑戦が始まる。
社会で生きる難しさと人生の美しさが詰まった、ノンストップエンターテインメント。

<あらすじ>
自動車販売会社のエリート街道をひた走っていた角野は、自ら希望して異動した中古車部門で心身ともに憔悴しきるほどの挫折を味わう。
半ば左遷のように言い渡された次なる勤務地は、沖縄の弱小営業所だった。

本文をチラ見せ!

机の周りを片付けて部屋から出ようとしたとき、机の上に取り残された電話に、メッセージランプが点滅していることに気がついた。今日は吹田営業所を去る日だ。引き継ぎのメッセージだろうと思い再生ボタンを押す。しばらくして、突然流れ出したのは予想外のピアノの音。
意外な成り行きに驚き、もう座ることがなかったはずの席に座り直した。…


9月16日(月)20時~

『兎角儚きこの世は』
白井忠彦

人生の指針を探し求める全ての人に贈る、六つの物語。

 

李氏朝鮮を舞台に、共存共栄の精神の大切さを問う『魔女の涙』、 長年の努力が実らない絶望と、その後の再起をテーマにした『海底農園』。
さまざまな時代に生きる人々の想いや生き様を拾い上げ、人生の切なさと儚さを細やかな筆致で描いた、珠玉の短編集。

「桃源郷を探しに行かないか? 」
友人の一言で、桃源郷を求めて未開の地である森へ出かけた「私」。 理想と現実の狭間で葛藤しながらも桃源郷を探し続ける二人だが、なかなか見つからない苛立ちと疲れから、次第に溝が生まれてしまう。
予期せぬ試練と対峙する中で、理想を追い求めた先に待ち受けていたものとは――。
――『桃源郷』

本文をチラ見せ!

さて、話の舞台は中世李氏朝鮮のユンという王の治世にまで遡ります。先に申し上げれば、彼はかの史上まれに見る暴君のことであろうと、歴史を勉強する者ならばすぐに思い当たる人物であります。
然し、根っからの悪だったわけでも王位に就いた当初から荒れた政治をしていたわけでもありません。先代の王にあたる父の政治を引き継ぎながら不正や搾取を厳しく罰し、時には民に施しを与えていました。
そのようなユンの幼少期は悲惨であり、とある出会いが心の底にあった過去を煽ったことで、破滅の道を辿ることになるのです。…


9月16日(月)22時~

『海外百ヵ国以上一人旅で考えた事・実践 文庫増補改訂版』
高木真

旅も人生も 知恵と勇気とサムマネー

 

異国での経験から得た旅本来の目的や心構え、さらに我々人類の歴史上の移動の立ち位置までを掘り下げて綴った、単なる「来た・見た・感動した」形式とは一線を画す、全く新しい旅行記。
現代社会を生き抜くヒントを加えた増補改訂版!

「諸説あるが、君はどう考えるの?」
多様な考え方があって多様性を認めたうえでその中で自分はどう考えどう行動するかが問題で、その意味で考え方のたたき台、考える材料として、読んでもらえればいいと思う。――本文より

本文をチラ見せ!

私は、ほぼ一人で、世界百カ国以上を、仕事ではなく個人で自費で、これまでに旅をしてきました。
そこで、旅・移動に関する事を、文章にしてみました。 最近は最初の旅自体に意味を見出すというより、異空間をたった一人で歩くという事に意味を見出しています。全く見た事も経験した事もない異空間の中で、自分一人で環境を認識理解し判断決断し行動する、という事に意味を見出し、海外の旅をしています。組織人なら、自分自身で判断決断し実行する必要性はあまり感じないかもしれませんが、…

9月17日(火)8時~

『今のこのままの日本でいいのか』
一粒野麦

今のこのままの日本でいいのか!!

 

今のこのままの日本でいいのか 新しい学問「国家リデザイン」にヨーロッパで触れた白川朗子が、日本で初めて開催される世直しアイデアコンクール「今のこのままの日本でいいのか!」の司会を務めることから始まる。
コンクールのテーマは、「議員制度見直し」「財政赤字縮小」「国民の高度活用」「官民格差解消」の4つ。
このコンクールの概要を挟みつつ、白川朗子を支える2人、深田宏之と西尾泰治との高校時代の部活動での出会い、そして3人のそれぞれの人生が1970年代半ば頃からの光景と共に描かれた今の日本を考える物語。

本文をチラ見せ!

最寄り駅から続く大通り両側の満開の桜並木が、春の本格的到来を鮮やかに告げる中、老若男女が、武蔵野の面影を残す地に新たに造られた、インターネット参加もできるハイブリッド形式の設備を有するホールに次々吸い込まれていく。
1万人弱が入るこの会場が大入りとなって、日本で初めての試みとなる国家リデザインアイデアコンクール「今のこのままの日本でいいのか!」がまさに始まろうとしている。…

9月17日(火)18時~

『おこめができるまで』
みうらやすよ

おいしいお米は手間ひまかけて

 

おにぎりっておいしいね! お米ってどうやってできるの? 
孫たちにそう聞かれて、おばあちゃんはあまり目にしなくなった昔の風景を思い出しながら、籾からお米ができるまでの作業を話してあげます。
なえづくり、しろかき、たうえ、いねかり、だっこく、もみほし……。八十八もの工程におよぶと言われる日本の米づくり。知っているようで知らない、それぞれの作業を水彩画とともにわかりやすく解説しています。
ページをめくるごとに田んぼの姿が変わっていく、絵巻物のような絵本です。 日本の農業の原風景を伝え、食べ物に感謝する心を育みます。

本文をチラ見せ!

おにぎり3きょうだいは おにぎりが だいすきです。
アメリカに すんでいます。
あるひ、にほんにすんでいる おばあちゃんのおうちへあそびにいきました。
「おばあちゃん、おこめって どうやってできるの?」…

9月17日(火)20時~

『センセイの一番の本音?』
田村正志

「第2回 センセイの本音コンテスト」大賞作品!

 

「センセイ」と呼ばれる政治家の日常とは?
選挙の裏側で何が起こっているのか?
議員活動の実態と世間のイメージのギャップとは?

地方議員として10年以上勤務した経過権を基に
政治家の知られざる本音を明かす。

本文をチラ見せ!

「センセイの本音」……私も言わせてもらっていいだろう。私は地方議員をしている。もちろん選挙に当選してのことだ。だから、日頃は「センセイ」と呼ばれることが多い。
「センセイ」になって10年以上たつ。超ベテランではないが、中堅からまあまあベテランの部類に入るだろう。初当選のときにはこんなに長くやるとは思っていなかった。
私が初当選した頃と比べて、あるいはひと昔前ほど議員に対して「センセイ」とは言わなくなったように感じている。中には議員を「センセイ」と呼ばず、「~さん」「~議員」と呼びましょうという動きもある。大阪府議会では、議員を「センセイ」と呼ばないことを議会内で議論しているそうだ。…


今月もお楽しみに!