PART7
2019年8月
サカシタヨウコに$3,000を返金した後、わたしは直ぐヨウコをLINEから削除した。
ヨウコからもそれ以来わたしにLINEはこなくなった。ウイルソンはヨウコから解放された。
そして8月1日、ウイルソンはイスタンブールを離れた。ドイツのベルリンに移動した。ウイルソンが言うには彼がイスタンブールの病院にいた時、わたしが送った$4,200、そのお金で買った航空券は彼が逮捕された時、警察が取り上げた。
彼が警察から解放された時、警察は現金で返金してくれるとのことだった。ヨーロッパ内はパスポート無しでも電車ならどこでも移動出来る。警察から返金してもらったお金で彼は電車でイスタンブールを離れた、と。
8月1日、ウイルソンはドイツのベルリンに着いた。ウイルソンは何処にいてもわたしに近況を知らせてくる。
Walmart to Walmart個人宛口座にホテル代を送ってほしい、と。
ウイルソンはベルリンでもホテルと交渉した。彼がアメリカに戻った時にホテル代を支払う条件で、宿泊させてくれたホテルもある。そんな時はわたしの負担も軽くなる。
ウイルソンがいつ支払ってくれるのか見込みがないと思った時、ホテルはウイルソンを長く宿泊させなかった。
わたしもホテル側と同じことを考える時がある。ウイルソンからのお金の要求。いつまでわたしは当てにされるんだろう。
せめて彼がパスポートを持っていれば彼を助ける手段はある。彼の所に行って航空券を買って、アメリカまでウイルソンと一緒に帰ってくる。それもひとつの案。
今のウイルソンに航空料金を送っても彼は私用に使ってしまうに決まってる。
ウイルソンから連絡がきた。ヨウコは連日ウイルソンにメールをしてくる。彼女はまだウイルソンに執着している。彼が何処にいても。
ヨウコはウイルソンにイスタンブールに戻って欲しいと哀願する。
私と一緒に暮らして、と。
ウイルソンがイスタンブールにいた時から、ヨウコはウイルソンに哀願している。いつからかヨウコはウイルソンにお金をあげることで、彼を自分の手にしたいと思うようになった。
ウイルソンは全ての自分の近況をわたしに伝える。連日ヨウコがウイルソンにメールを出して、自分の欲望をあらわにする事も。
テルヨさんが今までウイルソンに振り込んだお金はわたしがテルヨさんに返金する、と言った事も。
ウイルソンはただ一言。
僕はヨウコを愛してない!