僕の出遭った人間達
随分いろんな人間と
眩しく交錯してきた
僕の闇を照明してくれた
僕の思考分裂を救ってくれた
僕と時の輝きを共有した
人間達
みんないなくなってしまった———
・計測の魔
かれは死の輪郭を最後に計測した
・逆さま
かれというと
夜の底に吊るされたMワットの裸電球だ
あかくかがやく星アルゴルと密に交信していた、と
今でも想像している
・真昼
あの逆走者は夢の沙漠を逆走した
1人で途切れた地平線を渡って行った
・女
原色詩篇
しらない海
ただ1つの沈黙
黄金の瞬間を孕んで
壊れかけた複写機で
複写され続ける
僕の存在史