サンゴの青い色が陸地を囲っています。深紅の海色! 沖縄を去る前においしくいただいた食事も、疲れた心を癒してくれました。とくにマンゴーの味が良かった。また食べたいと思いました。いただき物のマンゴーを食べながら、

「こんなにおいしかったかなあ?」

と驚きながら、沖縄のことを思い出していました。マンゴーを送ってくださった方は、私が沖縄のいけ花のイベント中、自由な時間もままならず、諸々に気を使い、花のお守りにくたくたになっていたのではないかと推察されたのだろうと思いました。沖縄はもっと楽しいことがたくさんあるということを伝えたかったのだと思います。今度、プライベートで行きますよ〜。

沖縄の思い出のマンゴー

講習会

毎年、秋ごろになると、市内中心部にあるデパートのホールで、いけ花の講習会が催されます。広い会場には参加者がたくさん集まってきて、席も全部埋め尽くされそうなくらいです。私はいつも早めに会場に入って席を確保して、見やすい場所で観覧するようにしています。講習会で講師の方のお話を聞きながら、なぜか私は自宅の庭に咲いた花のことを考えていました。

ちょうどそのころ、自宅の庭の片隅には黄色いフリージアの花が咲いていました。フリージアは4輪、5輪の花を細い枝でささえながら咲きます。先のほうに一番開いている花。そのすぐ横に少し開きかかっている花。そしてつぼみ、また少し後方に小さなつぼみ……。香水よりも強いくらいの香りが漂っています。私は程良い開きの花を切って花瓶に差しました。

すると狭い事務所が途端に良い香りに包まれました。そう、いい感じ。良い気持ちでお仕事、お仕事!花の持つエネルギーは、生きながら放つ目に見えない力が、人に与えられるものだと思っています。今では、ほんと! 元気になるんですもの^.^

せっかく庭の花を机の上にいけて飾るならば、見かけも、良いほうが良いに決まってる! だから花を上手にいけられるよう、学びたい。どんな形が良いのか自分でやってみるのもいいけれど、何か良い方法があるに違いない……。私がいけ花を始めたのは、そこからの始まりでした。毎日の暮らしに直結しているいけ花は、きっと生活を豊かに潤してくれるだろうと考えたのです。