だいたい先にも述べたように、日本の国内では年間300兆円ほどの消費額があるようである。ここ2年間は新型コロナウイルスの影響により280兆円まで減っているようだが、300兆円の消費があると仮定して、例えばライフポイントの付与は消費額の5%くらいではどうだろう。
つまり、1000円の買い物をすれば50円分のポイントが付くわけである。例えば、生涯に2億円を消費する人には1000万円のライフポイントが付くわけだ。
さて、5%のポイントが与えられるのであれば皆さんは銀行に預けているお金を引き出して消費に回したくなるだろうか。とにかく制度設計の中で何%が適切なのか判断が必要である。
ただ、300兆円の5%は15兆円になるわけだが、これは国が消費税の中から捻出すべきである。令和2年度の数字では、消費税の総額は21・7兆円である。それらは、国庫に入ったり、社会保障(年金、医療、介護、子ども・子育て支援)として使われたりする。国民の皆さんが年間150兆円を預金からおろして何がしかを消費してくれれば消費税が15兆円増加してライフポイントに充てることができるのである。私は財源についても十分に可能であろうと考えている。
さて、ライフポイントで何が買えるのかも決めておかねばならない。本当は将来の不安を取り除くということで論じれば、老後の生活費や医療、介護にのみ使えれば目的に合うのだけれど、それでは消費を喚起する魅力に欠けるだろう。一定の基準を設けた中で、何でも買えるというのが一番簡単でいいのかもしれない。
いずれにしても制度設計は国策として国会議員の皆さんや各省庁が十分な検討を加えて、日本の「とてつもなく巨大な宝物」である国民の莫大な貯蓄を循環させ、日本のGreat Resetのために活用してほしいものである。
また、消費を喚起させるのに有効な政策が他にあるのかどうか、官民合わせた関係機関で真剣に検討していただくようにと願う次第である。
なお付け加えておくが、消費を喚起する場合に、魅力的な商品の開発が伴えばさらに消費を誘導できるだろう。かつて1950年代に“三種の神器”といわれた白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫などがそうであるように、今後びっくりするような商品の開発を望むものである。