ネット上などでの登録情報から自社が利用したい貨物車両情報や運びたい貨物情報を検索、あるいはオークションによって空きトラック情報や貨物輸送のニーズを把握するといったものである。

荷主企業にとっては必要な輸送手段の確保や輸送コストの削減も容易になるし、物流事業者にとってはビジネスチャンスの拡大や輸送効率の向上にもつながるというわけである。しかし、スマート物流サービス推進の流れのなかで、貨物情報、車両情報をビッグデータとしてとらえ、それを共有することでサプライチェーン全体の計画性や効率化を高めていこうという発想に転換された。

「もっとも、求荷求車システム業界はこれまで熾烈な生き残り競争を何度も経験し、有力とされながらも淘汰され、市場からの退場を余儀なくされた企業も少なくない。モノの流れの見える化が進展するなかで、想像を超える熾烈なシェア争いも行われていくだろう」といった声もある。

ちなみに求荷求車の静脈物流への導入も必要になってくるだろう。動脈と静脈のネットワークが密接にリンクすることで荷主企業は、製品の出荷から廃品の回収、処分までの一連の流れを可視化させることができる。

その結果、製品の開発から廃品の処理までをトータルで見据えての緻密な在庫管理や不法投棄についての徹底したリスク回避が実現できる。

「必要なモノを必要なだけ供給し、適正な処理を行い、可能な限り資源再生化を行う」というビジネスチェーンの構築が促進されていくわけである。