はじめに

私が本書の執筆を決意したのは、母とともに体験したモロッコでの物語のような出来事を、母が元気なうちに記録に残したいと思ったからです。また、以前から母の周囲の人に言われていた「本にしてみては」という言葉に背中を押された事もあります。

1987年、母はマッサージ師としてモロッコ国王、故ハッサン2世(HASSAN II)の王室に入り、以後12年にわたって国王と国王ファミリー専属のマッサージ師として行動をともにしていました。

これは、私の母が実際に経験した1987年〜1999年の出来事と、私自身が1987年〜1992年に体験した出来事をそれぞれの日記と記録をもとにまとめたものです。

私は現在は日本で会社員をしていて、母と子供達と住んでいます。今年私の息子は15歳になり、私が外国に出た時の年齢になりました。母は、ハッサン2世が他界された年に日本へ帰国。それから20年経ちましたが、エネルギッシュに活動しています。