ここからバスと電車を乗り継いで、五十分ほどかかるその病院は、お世辞にもキレイとは言いがたかった。まだ人に聞くのがためらわれて、受付あたりをうろうろしていた。そこへ年配のナースが現れた。「坂本さんですか?」気圧されるように俺は、声も出せずに首を激しく上下に振った。緊張でのどはカラカラで、手汗がびっちょりだった。「ちょっと一緒にきてくれる?」そう言ってすごい速さで、ナースは俺の前を早歩きで行ってしま…
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小説『泥の中で咲け[文庫改訂版]』【第5回】松谷 美善
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担任の女教師から言われた差別的なひと言。そして、いじめ。僕は高校を2か月でやめた