【前回記事を読む】「へぇー、驚いた。君かあ」入院中の化粧っ気のない、前がはだける病衣姿でも恥じらいを見せなかった彼女とはまったくの別人であった。外は晴れて暖かく、病院の周りも桜が満開だった。彼女はやわらかい日差しの中、桜のトンネルの中を自宅に帰っていった。彼女の目にこの日の桜はどのように映っていたのだろうか。そして10日後、母親の震える涙声が電話を通じて伝えたのは、彼女がテレビゲームを10時頃ま…
[連載]Passengers 過ぎ去りし人たちへのレクイエム[人気連載ピックアップ]
-
エッセイ『Passengers 過ぎ去りし人たちへのレクイエム[人気連載ピックアップ]』【最終回】桂 真風
ゲームが終わって横になった直後、「息ができない!」と叫んで口から真っ赤な泡を吐いた。救急車に乗ったころ、脈はすでに…
-
エッセイ『Passengers 過ぎ去りし人たちへのレクイエム[人気連載ピックアップ]』【第15回】桂 真風
「へぇー、驚いた。君かあ」入院中の化粧っ気のない、前がはだける病衣姿でも恥じらいを見せなかった彼女とはまったくの別人であった。
-
エッセイ『Passengers 過ぎ去りし人たちへのレクイエム[人気連載ピックアップ]』【第14回】桂 真風
入院6か月、彼女は苛立ちを露わにした。「オッサンらが通りがかりに隙間から覗いていることを知っている? プライバシーはどうなっているのよ」
-
エッセイ『Passengers 過ぎ去りし人たちへのレクイエム[人気連載ピックアップ]』【第13回】桂 真風
ひどい結核の若い女性患者。なぜこの若さでここまで悪化を? 原因解明のため“ある質問”をすると「そんなわけないでしょ!」と…
-
エッセイ『Passengers 過ぎ去りし人たちへのレクイエム[人気連載ピックアップ]』【第12回】桂 真風
警察から「Nさんの主治医ですか。彼女が昨夜自宅で亡くなって」と電話…その瞬間、私は彼女の死因が分かった。彼女は退院後…
-
エッセイ『Passengers 過ぎ去りし人たちへのレクイエム[人気連載ピックアップ]』【第11回】桂 真風
そっと乱れた毛布を直し、「午後4時38分に亡くなられました」と家族に低い声で告げ、一歩下がって手を合わせ頭を垂れた
-
エッセイ『Passengers 過ぎ去りし人たちへのレクイエム[人気連載ピックアップ]』【第10回】桂 真風
死期が近い患者のドアを開けると、娘さんもいた。彼女は身重だった。かすかな声で「幸せになるんだよ」と聞こえて…
-
エッセイ『Passengers 過ぎ去りし人たちへのレクイエム[人気連載ピックアップ]』【第9回】桂 真風
「先生、僕は良くなりますか?」と聞かれてハッとした。嘘は言えない、と思った。答える代わりに手をグッと握ると、彼は微かに…
-
エッセイ『Passengers 過ぎ去りし人たちへのレクイエム[人気連載ピックアップ]』【第8回】桂 真風
医師の後悔…「最後の旅行」に行く患者の妻に言ってしまった“ある言葉”。旅行後に患者は亡くなったが、あの自分の一言で…
-
エッセイ『Passengers 過ぎ去りし人たちへのレクイエム[人気連載ピックアップ]』【第7回】桂 真風
「あの人なしで…今後どうすればいいの」…夫の“本当の病名”を聞かされた妻。それは夫に説明されたものとは違って…
-
エッセイ『Passengers 過ぎ去りし人たちへのレクイエム[人気連載ピックアップ]』【第6回】桂 真風
「手術になるんですか?」かすれた声で尋ねられたが…もう既に、手術できるかさえ怪しかった。余命は8カ月ほどしかない可能性も…
-
エッセイ『Passengers 過ぎ去りし人たちへのレクイエム[人気連載ピックアップ]』【第5回】桂 真風
紹介状を持って診察室に入ってきた男とその妻…男の病名とその余命は、問診の時点で新米医師の私にさえ分かった。
-
エッセイ『Passengers 過ぎ去りし人たちへのレクイエム[人気連載ピックアップ]』【第4回】桂 真風
彼は冷たい手で握り返してきて、目を閉じた。「ごめんね」…だが私が病室を出ようとすると、彼の振り絞るようなある声が響いて…
-
エッセイ『Passengers 過ぎ去りし人たちへのレクイエム[人気連載ピックアップ]』【第3回】桂 真風
手術は成功したが、リンパ節に"白くて硬いもの"を見つけてしまい…この患者は1~2年の命だろう──医師だけが知る現実
-
エッセイ『Passengers 過ぎ去りし人たちへのレクイエム[人気連載ピックアップ]』【第2回】桂 真風
尿をためる袋をぶらさげて歩く人や病衣がはだけている若い女性がいても誰も気にしない病棟の現実
-
エッセイ『Passengers 過ぎ去りし人たちへのレクイエム[人気連載ピックアップ]』【新連載】桂 真風
医局のソファーで目が覚めると、廊下を走る音が聞こえた。ぼんやりしてると記憶が蘇ってきて…不安で急いで現場に戻ると…