【前回の記事を読む】「育てられないって誰に相談すればいい?」妊娠を伝えようと、見慣れたドアの前に立った。合鍵が、入らない。表札は別人になっていて…市役所に行った。窓口の人は申し訳なさそうに告げた。「離婚や死別なら市営住宅の補助や保育園料の減額があるんですけどねぇ。職業訓練給付金も、未婚だとねぇ」「未婚と、死別や離婚、同じ母子家庭なのに? どうしてですか」納得できない。「国の法律や市の条例で決まっ…
[連載]サトゥルヌス[注目連載ピックアップ]
-
小説『サトゥルヌス[注目連載ピックアップ]』【第6回】花田 由美子
「女子高生なんだねぇ(ねっとり)」…入浴中、擦りガラス越しに洗面所で歯を磨かれる。家で眠れないので、授業で寝るようになった。
-
小説『サトゥルヌス[注目連載ピックアップ]』【第5回】花田 由美子
「育てられないって誰に相談すればいい?」妊娠を伝えようと、見慣れたドアの前に立った。合鍵が、入らない。表札は別人になっていて…
-
小説『サトゥルヌス[注目連載ピックアップ]』【第4回】花田 由美子
尿検査キットが変化するのを寮のトイレで見た。覚悟も責任もない、22歳。父親の認知もまだなく…
-
小説『サトゥルヌス[注目連載ピックアップ]』【第3回】花田 由美子
「嫌われたら我慢するんだ。犯罪なんだ。」言い聞かせながら、社員寮近くをうろついた。同じ気持ちだと信じていた…
-
小説『サトゥルヌス[注目連載ピックアップ]』【第2回】花田 由美子
「パパはどこにいるの?」と聞くと、「けえむしょ」あるいは「おそらにあるくものうえ」小指のない世話係は、父親ではないようだ。
-
小説『サトゥルヌス[注目連載ピックアップ]』【新連載】花田 由美子
「ぼっちゃん」に「姐さん」。隣の部屋へ誰かが越してきた。ドスのきいた声で荷物を運ぶ集団は、明らかに引っ越し業者ではなく…
- 1
- 2