【前回の記事を読む】「お母さん!」と声を出そうとするものの出てこない。真っ白な顔の長い黒髪の女が私の胸の上に佇んで顔を覗き込んでいた兄は東京の大学へ進学し、先に家を出た。父がいなくなってから兄とは喧嘩ばかりで、そこには昔のような仲良し兄妹の姿はなかった。喧嘩別れのまま兄は高校三年生の時に寮に入ったため、上京をするとなった時も見送りには行かず、最後までほとんど他人のような関係になってしまった。高校…
[連載]拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第8回】三上 ミカン
学校でも家でも布団の中でも携帯を片時も離さず「モバゲー」する私。モバゲー内のサークル活動で頻繁にやり取りする男性ができ…
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第7回】三上 ミカン
「お母さん!」と声を出そうとするものの出てこない。真っ白な顔の長い黒髪の女が私の胸の上に佇んで顔を覗き込んでいた
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第6回】三上 ミカン
「キャー……、助けて!」「――ふざけるな!」二人を追いかけ外へ飛び出ると髪の毛を掴まれ、家まで引きずられる母の姿が…
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第5回】三上 ミカン
「パパはね、ずっと前から彼女がいたんよ。ママはもうパパとは一緒に生活できん」お父さんが憎い。絶対に、永遠に、許さない
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第4回】三上 ミカン
「パパたち離婚することになったから」――気持ちが追いつかないまま、大粒の涙が頬を伝いこぼれ落ちた…私は父を愛していた
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第3回】三上 ミカン
ある夜、叫び声とともに大きな物音がして様子を伺うと怒り狂った父が二階の窓から兄の勉強道具を投げ捨てていて…
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第2回】三上 ミカン
一度機嫌を損ねると誰も止められないくらい怒りが爆発する父。家の中は殺伐とした空気が流れ、口を開けば「勉強しろ」の一点ばり
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【新連載】三上 ミカン
祖父母や両親に絵が上手だと褒められるのが心地良い。飼っているトイプードルを何時間も描写し続け、同じ絵を繰り返し描く私
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