【前回の記事を読む】「キャー……、助けて!」「――ふざけるな!」二人を追いかけ外へ飛び出ると髪の毛を掴まれ、家まで引きずられる母の姿が…ついに父が家を出る。父の仕事の都合で、昇進前に離婚は体裁が悪いと離婚届けはまだ出していなかった。母がそれを提案したのだ。別居というだけで離婚が成立したわけではないが、父がいなくなるという事実が重要なのである。家には静けさ、自由と平穏が訪れ、私は母とリビングでそれ…
[連載]拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第7回】三上 ミカン
「お母さん!」と声を出そうとするものの出てこない。真っ白な顔の長い黒髪の女が私の胸の上に佇んで顔を覗き込んでいた
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第6回】三上 ミカン
「キャー……、助けて!」「――ふざけるな!」二人を追いかけ外へ飛び出ると髪の毛を掴まれ、家まで引きずられる母の姿が…
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第5回】三上 ミカン
「パパはね、ずっと前から彼女がいたんよ。ママはもうパパとは一緒に生活できん」お父さんが憎い。絶対に、永遠に、許さない
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第4回】三上 ミカン
「パパたち離婚することになったから」――気持ちが追いつかないまま、大粒の涙が頬を伝いこぼれ落ちた…私は父を愛していた
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第3回】三上 ミカン
ある夜、叫び声とともに大きな物音がして様子を伺うと怒り狂った父が二階の窓から兄の勉強道具を投げ捨てていて…
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【第2回】三上 ミカン
一度機嫌を損ねると誰も止められないくらい怒りが爆発する父。家の中は殺伐とした空気が流れ、口を開けば「勉強しろ」の一点ばり
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小説『拝啓、母さん父さん[注目連載ピックアップ]』【新連載】三上 ミカン
祖父母や両親に絵が上手だと褒められるのが心地良い。飼っているトイプードルを何時間も描写し続け、同じ絵を繰り返し描く私