子宮全摘 3手術は嫌だけど、面倒な生活や仕事から逃げられると思うと楽しみになった。六人部屋で手術する人ばかりで、情報交換もバッチリ。部屋の入り口から順番に、トコロテンのように毎日一人手術室に押し出される。私以外は連日家族が「頑張れ」と応援に来る。言い方は悪いが受験の前日のような微笑ましい姿。昼間応援を受け気丈にしていても、子宮を無くした夜は、就寝時間になると、忍び泣きがあちらこちらから聞こえてく…
[連載]迷子 うつと離婚と私[人気連載ピックアップ]
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エッセイ『迷子 うつと離婚と私[人気連載ピックアップ]』【第8回】野沢 りん
子宮全摘の手術後、ひとりでいると不安が襲ってくる。部屋の中をうろうろする。手に包丁を持ち、疲れ果てるまで歩いた。
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エッセイ『迷子 うつと離婚と私[人気連載ピックアップ]』【第7回】野沢 りん
「これは感染症です。旦那さんにも症状があるはず」夫を問い詰めると「俺は通院しているから大丈夫」(あほかこいつ)
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エッセイ『迷子 うつと離婚と私[人気連載ピックアップ]』【第6回】野沢 りん
母の葬儀が終わり施設へと帰った父。そして事件は起こった。父のベッドの上で介護士が見たものは...
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エッセイ『迷子 うつと離婚と私[人気連載ピックアップ]』【第5回】野沢 りん
義母の納棺は素晴らしかった。「もう少し若ければつけてみたい」と言っていた紅をさし、楽しみにしていた着物をお棺にかけた。
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エッセイ『迷子 うつと離婚と私[人気連載ピックアップ]』【第4回】野沢 りん
私には優しい母と、自分では感情を押えられない母がいる。母は精神が不安定で毎日顔色を窺って過ごしていた。
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エッセイ『迷子 うつと離婚と私[人気連載ピックアップ]』【第3回】野沢 りん
母は私が嫁いでから「死にたい、殺して」と言うように。急いで帰ると、母はご近所さんと笑って話していた。怒りで体が震えた。
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エッセイ『迷子 うつと離婚と私[人気連載ピックアップ]』【第2回】野沢 りん
アルバイトまでの時間を過ごす喫茶店が私の安全地帯だった。マスター、住職、常連のおじさん。色々な人が先生になってくれた。
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エッセイ『迷子 うつと離婚と私[人気連載ピックアップ]』【新連載】野沢 りん
母の遺影を探すとき、姉が「笑顔の写真ないね」と寂しそうに言っていた。笑っていた若い頃の写真を遺影にすることに決めた。