それぞれの道
それから二年の月日が経ち、ようやく私と孝雄は、それぞれの道を歩む時がきた。
下の娘も成人し、それぞれが思い思いに道を歩み始めている。
いくら収入があっても、平穏無事に怯えることなく生活できなければ、いつか壊(こわ)れる時がやってくる。
その時がきて、誰も殺めることなく、無事に終止符を打つことができて、本当によかったと、今つくづく思っている。
裕福ではなくても、ささやかながら自分の思いのままに、自由に生活できる今を大事にしながら、これからを楽しんで生きていこう。
ちいさなしあわ
せきっとあるさ
だいじょうぶ
やるしかない
そうだ……まえにすすもう
いっぽいっぽ
ときには
たちどまっても
すこしずつ
あともどりせず
まえにすすもう
こころのそこから
わらっている
いまこのときが
ほんとのしあわせ