「信頼されたからこそ、この世に生を受けたのです」

という言葉が、フォールの頭から離れませんでした。神がいのちを託されたなんて、なんという考え方でしょうか。彼は、その信頼に応えたいと思いました。でも、どうやって?

「主よ、ぼくはどうやってあなたに応えたらよいでしょうか?どうすれば、ぼくはあなたの喜びをもっともっと自分の中に沁みわたらせることができるでしょうか?

ぼくは、そんな喜びを伝える人になりたいです。ぼくはこの喜びを信じているし、とっても感謝しています。どうかぼくを、あなたの喜びを伝える道具にしてください」

響きわたる声は再び話しかけました。そしてフォールは、愛の繭の中に、純粋な愛の中に落ちていくような感覚を覚えました。それは、中にいるだけで熱くなるような感じでした。

「フォール、お前は体じゅうでわたしを吸い込むことができるよ。わたしの中でお前が伝えたいと思うものは何でも、お前のものだ。

わたしの恵みはお前の恵みでもある。わたしの喜びはすでにお前の細胞の中に住んでいる。わたしの喜びはお前の存在そのものだ。わたしの喜びは血の中にある。お前の血管を流れているのだ。わたしの喜びはお前のいのちの中にある。体を愛しなさい。ほかのどこよりも、お前は体の中でわたしを見る」

あぁ、とフォールはそのとき愛と喜びを感じました。説明の言葉はいりませんでした。彼は体じゅうが包まれているような温かみを感じました。

その夜は一晩中、その温かみを浴びていました。そして、フォールはその夜夢を見ました。えも言われぬ美しい夢でした。