そして、神はいきなり尋ねました。
「ところでお前は、心から願っているのか?」
フォールは思わず答えました。
「もちろんです、神さま、えーと、でも、神さまはぼくが何を願ったらいいと思われますか?」
「フォール? 本当に願っているのか?」
フォールは頭がこんがらがっていました。でも、至高の神は、それにおかまいなく言葉を続けました、
「フォール、お前は心から願っているのか?」
「はい、主よ、願っています」
「よし、それなら天使を遣わし、お前に語りかけさせるとしよう」
†††
こうして、すべては始まったのです。夜ごとに、天使がやってきました。
最初にやってきた天使は美しく、女性らしく、とても優雅でした。フォールは天使を見ることはできませんでしたが、感じることはできました。そしてしばらくして、ついに天使の声が聞こえたのです。一晩中天使の甘い声が響きわたりました。
天使は、自分はあわれみの天使であると告げ、柔らかい、流れるような声で語りかけたのでした。