すべてのはじまり
フォールは子供のころから抱いていた畏敬の念と神秘の感覚を覚えながら、今日もまた夜空を見上げました。夜空に包まれたときに感じる平和と静けさと、どこか遠くの未知なるものの感覚が、彼の心の慰めでした。
この感覚は、ある場所を、たぶん空想的な場所ですが、日常生活の騒がしさから逃れて隠れることのできる安全な場所を与えてくれるのでした。そこは、神に祈り、神を求め、神を感じることのできる安全な場所でした。フォールはいつも神を身近なお方として感じ、心に浮かんだおかしなことを言うだけで、このお方に説明しているような気になっているのでした。
フォールは、なんとなく、自分の人生の目的が何であるかもわかっていました。そうです、彼は、生きているうちに神を見つけるように運命づけられていたのです。それも、前世で幾度となく感じた痛みと苦しみを通してではなく、喜びと愛と幸せを通して。
そして、彼はそのことを自分に対してだけでなく、世界に対しても証明する任務を負っていたのでした。「よし、やるぞ。今度こそはやらなくちゃ」と彼は思いました。